ひとことにめまいといってもめまいの症状や原因はさまざまです。 ぐるぐる回るといった感覚や、足もとがフワフワするなどといった症状が頻繁に起こり日常生活にも支障をきたすようであれば、 病気が潜んでいることを疑わなくてはなりません。 めまいごときと侮ることなかれ。「耳」「脳」「全身」などの疾患が見つかったり、 「心因的なもの」であれば心療内科、精神・神経科などと連携を取ってめまいの症状を軽くしていくことも可能な場合があります。
周囲のものが静止しているにもかかわらず、自分自身や自分の周りがぐるぐる回ったり、ふらふらとして安定した姿勢をとることが難しい状態をめまいといいます。 めまいは、その性状から自分自身や自分の周囲(天井など)がぐるぐる回る「回転性めまい(Vertigo)」と、ふらふらとした不安定な感じで船に乗って揺られているような「非回転性めまい(Dizziness)」に大別されます。
平衡感覚系は、内耳の前庭(三半規管、耳石器)→前庭神経→脳幹→小脳、大脳という経路を通っています。この経路のどこかの障害によってめまいが生じます。前半の前庭、前庭神経由来のめまいを内耳性めまい、後半の脳幹、小脳、大脳由来のめまいを中枢性めまいといいます。さらに心因性めまいなど平衡感覚経路に障害のみられないめまいをその他のめまいと分類すると理解しやすいと思います。
それぞれのめまいの性格はやや異なります。下表に内耳性めまい、中枢性めまい、心因性めまいの特徴をまとめました。(だいたいの傾向を示したもので、例えば内耳性めまいでも非回転性のことや、中枢性めまいでも回転性の場合があります。)
内耳性めまいでは最も頻度の多いめまいです。特定の頭の位置(寝返りをうったり、起き上がる時など)で出現するめまいです。めまいは数十秒でおさまり、めまいを誘発する動作を繰り返すと徐々にめまいは軽減する特徴があります。難聴や耳鳴は伴いません。耳石器の障害によって起こるといわれています。
めまいというとメニエール病といわれるほど有名ですが、正確に診断されたメニエール病はそう多くはありません。めまい発作に前後して片側の耳鳴、難聴が起こり、めまいが治まるとこれらの症状は軽快します。めまいの持続時間はふつう数時間程度ですが、めまいのない間欠期を経てめまい発作を繰り返します。メニエール病で特に注意が必要なことは、めまい発作を繰り返すうちに徐々に難聴や耳鳴が進行していくことがあることです。内耳の内リンパ水腫が原因とされています。